開業を思い立ったらまず考えること
先生がご開業を思い立たれるに至るまでには、労働環境や収入、ご家族の事、そして医師としての理想など、様々なきっかけや想いがあると思います。
しかし、それらを形にしていくためには、開業後の長い道のりまでの考え、一人の医師としてはもちろん、経営者としての視点を持ちながら、「なぜ開業するのか」「どのような医療を提供したいのか」「10年後に実現したい理想はどんなものなのか」等々、ご自身の想いを整理し、明確なコンセプトを持つことが重要になります。
そして、そのコンセプトを指針として開業準備を進めていくことが、ご希望通りの開業と、その後の安定した経営に繋がるのです。
経営者としてのスタート地点に立つために
一人の医師である先生が、ご開業という経営者としてのスタート地点に立つためには、しっかりと足場を固めた状態で理想的なスタートを切れるよう、そこに至るまでの道程を事前に把握し、スケジュール感を養っておくことが重要となりますので、主なマイルストーンをご紹介して参ります。
1年から1年半前
クリニックを開業するにあたり、まず初めに行うことは、開業コンセプトと開業時期を考え、事業計画を策定することになります。
事業計画の策定にあたっては、自院の収支構造や資金繰り、キャッシュフローなどを考え、それを基に金融機関などから資金調達を行います。また、損益計算書や収支予算表などを作成しなければならず、ご勤務時代と異なり収支構造を把握することが必要不可欠となります。先生方の多くがこの慣れない作業に苦心されますので、勤務医として業務をこなしながら、開業準備をされる場合には、事業計画の段階からウエルシア薬局のような専門家に相談されることが望ましいと言えるでしょう。
7ヶ月から1年前
事業収支計画を策定することで開業に至る道筋が見えてきたら、次は診療圏調査などに基づき開業物件を選定していきます。開業物件が決まった後は、内装工事、医療機器の導入計画などを検討することになりますが、電気容量や水回りの確保など、微に入り細に入り実に様々な要件が絡んで想像以上に時間を要することが往々にしてありますので、いずれも早めに専門家で相談することが賢明でしょう。
尚、ウエルシア薬局では「店舗内での開業」「敷地内での開業」「隣接地での開業」を軸に、先生の盛業に直結する「患者さんが集まる開業物件」を多数取り揃え、事業計画の策定や内装工事などについても専門家ネットワークによりサポート環境をご用意してご相談を承っております。
また同時に、金融機関の借り入れ交渉も進めていきます。事業計画を元に借り入れ希望金額が決まったら金融機関との交渉となり、事業計画書や趣意書を用意した上で、融資の審査に臨みます。物件選定、資金調達は、どんなに遅くとも6ヶ月前までには確定していないと、開業は難しくなってしまいます。
4ヶ月から半年前
開業物件が決まったら、次は内装やレイアウトを決定し、導入する医療機器の選定を行っていきますが、患者さんの利便性や診療のしやすさ、医療機器の効果的な運用を実現するためにも、医療に強い専門業者に依頼することがお勧めです。併せて、電子カルテを導入される場合には、医療機器とともにこの段階で選定することが望ましいでしょう。
また、ご開院時からすぐに集患・増患に効果を期待できるホームページを制作するためには、遅くともこの時期に業者への発注を済ませ、まずはご開院告知用の簡易ページ(ティザーサイトと言います)を公開することが理想です。
1ヶ月から3ヶ月前
開業の3ヶ月前には、スタッフの募集および採用面接などを進めていきます。受付事務や看護師、技師やクラークなど、事業計画策定の際に想定した人員計画に基づき、必要な人材を求人サイトなどを利用して募集します。また、地域住民に対して自院の存在を周知するために、ホームページだけでなく、折込チラシやポスティングなどの広告についても計画する必要があります。
1ヶ月前
クリニックを開業するためには、保健所に「診療所開設届」を提出しなければなりません。また、保険診療を行うために厚生局への「保険医療機関指定申請」も必要となります。こうした行政手続きに不備があると、予定通りに開業することができなくなってしまいますので、ぜひとも専門家の力を借りたいところです。もちろん、ウエルシア薬局に開業のご相談を頂いた先生であれば、既にこういった準備が万端に整っていますので安心です。
また、開業1ヶ月前からはスタッフ研修を始め、先生の医療理念・経営理念を浸透させ、チームとしての熟成を図ることが重要です。さらに、模擬診療なども行いながら、ご開院初日からスムーズなオペレーションが実現できるよう、シミュレーションを重ね、医療機器や電子カルテの使い方などについても共有し、不安なく記念すべき開業日を迎えることを目指しましょう。